犬山の読書録

犬山です。心動かされたものについて記録します。

【感想】因習村クライマックス 事案01:踏み込んだ時には既に滅亡寸前であった中国地方某村

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読んだ。

シチュエーションは文句なくいいし、キャラデザも好き。村に行ったら大怨霊が盛大にバトルしているという絵作りはすごくいいと思う。

ただ、私自身があまりホラーやモキュメンタリー形式を摂取してきてないからか、楽しみきれない部分があって残念だった。以下ネタバレ感想。

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【感想】まい・いまじね~しょん

dengekibunko.jp

表紙イラストから発想された短編アンソロジー。

成田良悟はオチまで含めて情報の出し方や構成がうまく、イラスト要素のひろい方がさすがっていうか落語みたい。

うえお久光の迂遠な幼なじみラブコメめっちゃよかった。出発点としてはかなり素直な幼馴染恋愛なのだけど、二人の関係性の積み重ねとか、告白のトリッキーさと真心のブレンドに作家性が出ててキュンだった。

 

もしかして読んでないうえお久光短編あったりする?wiki、信じるぜ……!(でもエッセイとかないか一応気を付けとこう)

 

 

【感想】あそびのかんけい 1~3

 

fantasiabunko.jp

ボードゲームがコミュニケーションの媒介、自己表現の場となっていて、まさしくホビーアニメならぬホビーラノベ。

主人公が露悪系ではない善人なので今風だなと思う。地雷グリコみたいな、ルールとギミックの中でキャラを打ち立てるってよりは、プレイングとかそこに乗っける会話とかよりメタなレベルでキャラをきっちり見せててライトノベルって感じだった。脂がのってる!

2巻ではライバル格のヒロインが逃げも隠れもせずきっちり告白して引いててすごかった。3巻では敗北前提だけど返事をするために猶予を持たせ、本気で検討してもらう期間を設け、そこで猛烈な攻勢に出るという展開があってすごかった。新鮮味のあるすごさだった。また、3巻終盤のみふる視点も激アツだった。ラブレターが一斉に開封されるイメージも、それが生まれる前に破棄されるのも全部すごい。

ボドゲを設定説明重くせず、かつ面白くラノベに組み込んでるだけでもかなりすごいのに、重ねてラブコメの手練手管がすごすぎる。この作者は他もこんななの?

【感想】地雷グリコ

地雷グリコ 感想

良かったので感想。


☆キャラの見せ方が良い!
良いとこは色々あるんだけど、
①キャラを見せるにあたって切り取ってくる場面セレクトがいい
②ゲーム展開をキャラを見せる舞台装置として機能してる
の二点は強く印象に残ってます。

①はキャラと話の顔見せをする各話冒頭からバッチリで、第一話冒頭で真兎の服装の乱れを語り手が毎日注意しながらも全く改善されないという描写……好……ってなる。二人が重ねてきた時間や距離感が凝縮されて伝わってくる。効果的。こういうお通し出してくれる店は何食べてもおいしい。鉱田と真兎の関係性がいわゆるホームズワトソン的な枠組みにはまりきってないのも新鮮味があってよい。

②は高度だな!と思う。オリジナル競技の対戦場面を読者に飲み込ませつつ、意表を突く展開を納得させつつ、さらにキャラの魅力を伝える描写を織り込んである。というか、キャラの凄みをアピールするためのステージとして機能させている。自由律ジャンケンの手とか、最初かクライマックスを意識して設定されていてキメキメでよかった。心が中学生になっちゃう。

また、窮地や逆転シーンなど、それぞれの場面でいっぱいキャラの差分見せてくれる。緊迫感をキープしつつ、展開の中でどんな魅力を放ってるのか描写があるので、キャラがイキイキしてる。
オリジナルの競技ってルール説明でダレがちだけど、ちゃんとその中でキャラがどう振る舞うかというところにフォーカスされていてすごいなあと思いました。

【感想】忘れえぬ魔女の物語

時間SF、とくにループものが好きなら、この作品はぜひ読んでほしいです。

一般的なループものと違うのは、繰り返された日がランダムに「世界に採用」され、日付が進んでいくというところです。彼女は繰り返されるすべての日を完璧に記憶しているんですが、この「ランダムに採用される」というギミックが面白くて、ループものにありがちな「全てを先読みして優位に立つ」という展開にならないのが新鮮でした。

物語が進むにつれて「魔法」の要素も出てきますが、あくまで設定を深く掘り下げていくSF的な思考が光る作品だと感じました。単なるループものから一歩踏み込んで、この特殊な設定をしっかり物語に活かせているのが素晴らしかったです。

 

個人的な推しポイント

  • 文章が読みやすい: 全体的に落ち着いたトーンで、すっと頭に入ってきます。キャラクターの描写も繊細で、細部まで丁寧に描かれている印象です。

  • 予測不能な展開: ループのランダム性によって、主人公がすべてをコントロールできない無力さが残るのが面白い。この「先読みできない」要素が、物語の意外な展開や伏線に繋がっていて、飽きさせません。

  • 主人公の変化: ループを繰り返すことで老成していく主人公が、中盤でガラッと変わる瞬間があるのですが、これがすごく良いシーンでした。彼女への認識が変わる、印象的な出来事です。

  • 熱い最終章: 最終章のタイトル「百万日間可能世界半周」がもう最高にかっこいい! ヒロインを救うために主人公が何度もループを繰り返すのですが、ここまでの積み重ねがあるからこそ、とんでもない疾走感があります。そして、その解決方法が設定と深く結びついていて、とても納得感がありました。

隠れた傑作と言ってもいいかもしれません。紳士淑女の皆さんにぜひ読んでもらいたいな。

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【感想】竜が飛ばない日曜日

ちょー久々に再読して面白かったので感想。子犬の時に読んで面白かったものが大人になって読んでも面白いと嬉しくなるな。

Amazon.co.jp: 竜が飛ばない日曜日 (角川スニーカー文庫 128-1) : 咲田 哲宏, DOW: 本

 

この小説は、竜が当たり前に存在し、人に捕食されることが憧れとなっている異様な世界が舞台です。そんな中で、この状況を「おかしい」と感じる少年少女が、世界の秘密に迫っていく物語。

SF的な時間要素も含まれていて、特にヒロインの一人が1日だけループできるという設定が面白いです。彼女の試行錯誤が物語に深みを与え、ループ能力が与えられた理由や、ループ最終日の行動など、ストーリーに巧みに組み込まれています。ループ自体が作品の中心ではないものの、ヒロインとその友人の心の在りようがよく表れたギミックなのです。友情!

 

ここが面白かった!

 

  • 唯一無二の世界観: 竜がいて、食べられることが憧れ…という設定がまず強烈で、そこに惹き込まれます。

  • SF的なプロット: ファンタジー要素が強いですが、黒幕が虚構世界と現実世界を繋げようとする展開には、SF好きも楽しめる深みがあります。

  • 竜との戦い方: 竜を爆発させたり、伝承を利用して倒したり、という展開は今でこそよくあるやつですが、2000年にそれをやっててはぁ~マジでかっこい~と子犬の頃に感激した。今読んでもぐっとくる。

  • 爽やかな読後感: 終盤の設定開示がやや唐突に感じる部分もありますが、全体的な面白さを損なうほどではありません。読み終えた後に残る爽やかな感覚が心地よいです。

単巻のライトノベルとしては、間違いなく良作の一つだと思います。独特の世界観と、それに絡むループのギミック、そして謎を解き明かしていくSF的な面白さが詰まった一冊です。 

【感想】後宮小説

https://www.amazon.co.jp/dp/4101281114

三宅香帆さんの『名場面でわかる 刺さる小説の技術』で触れられてたので読んだ。

 

設定の重厚さと文体の軽やかさとが合わさってスルスル読める。中華風ではあるけど、異国、異文化を感じさせる作品だった。『名場面で~』にて、異文化を読ませるには知ってるもので感覚的に訴えると良いよという話が出てくるけど、端々でそやな~~~~~と思わされた。

 

宮女見習いが四人同室で暮らすシチュエーションは、やりようによっては萌え四コマみたいにできそうだけど、そこは淡く書いていて、さっぱりとして心地よかった。

 

風呂敷畳んでるようで畳んでないのも広がりが感じられていい。最後の、銀河が若く見られてるのは、若々しくエネルギッシュな人という話であり、房中術の真理に至って不老を成功させてるのかもというディレクションなんかな?

面白かったです!

 

【感想】魔法警察ファンシー☆マリリン 1 ~証拠がなくても即逮捕!~

魔法警察ファンシー☆マリリン ~証拠がなくても即逮捕!~|第10回オーバーラップ文庫大賞銀賞の特設サイト

 

バカミスライトノベル

魔法で犯人を当てられる魔法少女が高校生探偵とタッグを組んで大暴れ。

何といっても冒頭の鮮やかさがすごい。高校生探偵のいる事件現場に颯爽登場して魔法でかっさらっていく手際の良さに感服しました。世界観とかキャラとかリアリティバランスを早い段階でガツンと見せてくれて痺れました。

 

マリリンが魔法で犯人を当てて制圧するという流れはベースとして押さえつつ、魔法が通用しない場合だとか犯人は当てられたけどトリックが明かせないとか、様々なバリエーションも見せてくれて出オチになってない。

長編だけど連作短編に近いので読みやすい。疲れた現代人は全員読んで槍投げのなげやりさに笑ってほしい。シリーズ化してほしいな。

 

【感想】杉森くんを殺すには

杉森くんを殺すには | すべての商品 | | KUMON SHOP

児童書。めっちゃ良かった。
高1の女の子ミトさんが「杉森くん」を殺すことを決意するところから始まり、徐々にその経緯が明かされ、落ち着くべきところに落ち着く。
とはいってもその理由なり正体なりを明らかにすることが本作の目的ではない。(ミステリではない)
中盤で「杉森くん」はある理由から既に亡くなっていることが分かり、それを殺すというのがどういうことかとか、主人公がどこに落ち着くかという部分を追っていくことになる。これをオチにしてないのでスゲー!と思った。下読みのしすぎかもしれない。
文体が素朴ながら胸を打つものがあり、ミトさんの気持ちの動きがよく書けていた。また、彼女を取り巻く人々の距離感とか関わり方が本当に良くて愛を感じた。

あとがきは、作中のある出来事を中心に公認心理師がアドバイスをごちゃごちゃ書いてるのだけど、これは個人的には蛇足だった。パワーのある物語だから乗っかりたくなるのは分かるけど、この作品を道徳の教科書にしないでくれよ。

あまり思い出すとまた泣いちゃうのでこの辺で。完成度が高い、という表現をするにはあまりに生っぽいので違和感がありますが、良い作品です。

【感想】これからの日本のジビエ

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動物大好き! お肉大好き!なので時々読みたくなるジビエ(食材として捕獲した野生鳥獣)本。
「はじめに」曰く、世にジビエを食べる本とか狩猟のハウツーはあれど、動物の生態や食中毒の危険性などにも踏み込み、学術的に示したものはほとんどなかったので作られた本だそうな。その志の通り、データや現状、希望はもちろん、リスク因子についても丁寧に触れられている。

以下、印象に残った部分。

 

◆狩猟文化とマタギ(P26)
殺生禁止の仏教と折り合いが良いとはいえない狩猟者。その中でもマタギは他の猟師には類をみない独特な宗教感や生命倫理を尊んだ。
狩猟と関わりの深い長野県にある諏訪大社では古くから「鹿食免」「鹿食箸」を授けていた。


https://suwataisha-jyuyo.raku-uru.jp/item-detail/675774
今もある!食の安全祈願くらいにボヤかされているのね。

 

私はペットショップはほとんど注目しないのだけど、鹿肉がペットフードとして活用されてきているそうな。

あとは「肉骨粉にすると体積を減らせるし、抗酸化剤を入れたら常温保存できるようになる。→トラフグやブリの飼料、肥料の原料として効果があることが確認されている。ペットフードなども普及してきた。(要約)」という話もへーと思った。害獣を肉骨粉にするの、気持ちがこもってそう。いやシンプルに活用できていいのかもしれんが。

 

◆シカはなぜ増えたのか P85
・ハンターの減少と高齢化
・農村の過疎化と耕作放棄地の増加→鹿のえさ場になる
(↑ここまではよく聞くやつ)

・木材生産を目指した拡大造林政策
戦後、復興造林として戦中および戦後に荒廃した伐採跡地への造林
→1955-64に拡大造林政策で天然などがスギ、ヒノキ林に転換された。
林を作るにはまず生えてる木を切り、苗木を植える。木が大きく茂るまでの10~15年間は地上植物が繁茂し、シカのえさになる
→シカが増えるという流れがあった。


・狩猟の制限との関係
1901狩猟法でシカの禁猟解除、1918の改正で個体数減少
→1950雄鹿のみが狩猟獣になる、
→それでも個体数減少したので1978には1日1頭だけになる
→1980以降個体数増加

という流れがあったそうな。造林政策の話と合わせると、減りかけていたところで狩猟の制限がかかり、いい餌場が増えた→何年かたつとスギヒノキ林になり暮らしにくかったので人類の生活圏に移動、邪魔になり始めるという流れか。エゾシカ&北海道はまた事情が違うみたいだけど。

 

 

ジビエの安心・安全
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/01_00021.html
ガイドラインが作成されている。

シカの生食ではE型肝炎ウイルス食中毒事例が報告されている。生焼けは絶対ダメで、中心部75度以上、1分間加熱必須。あるいは63℃30分以上。(p149に低温調理レシピあり)
また、熊肉でトリヒラ症という寄生虫による食中毒報告がしばしばある。日本でトリヒラ症はほぼクマのみらしい。
https://www.city.sapporo.jp/hokenjo/trichinella.html

 

ジビエを生でいく気がしれないが、野性味を感じたくて生でいってしまいたくなるのだろうか…自然だから体によさそうな感じ?

寄生虫は食後数日あけてからとかで発症するらしいし意味わからなくて怖いね…

 

「鹿肉は高たんぱく低カロリー、鉄分が多いのでアスリートにもおすすめ。あとは美容目的の女性、タンパク質を取った方がいい老人など。(P195)」みたいな話があったけど、健康にいいことをうたうなら、まず安心して食べられる加工、流通の仕組みづくりがかかせないのではないか。食中毒出てたら健康収支マイナスだし。

【感想】自傷・自殺する子どもたち

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松本先生の臨床経験から、自傷する子どもの心の様相や具体的な対策を書いておられる。
対応についても無理に抱え込むことを強要するわけでなく、医療関係者以外の家族や学校の人ができることが書いてあってよかった。あと、友達としての関わりを学ぶにも良いと思う。
子どもたちとあるけど、小学生から高校生くらいまでレンジがとってある印象だし、大人の自傷がある人の対応にも通じる部分がありそうだと思った。

この本が合うかどうかは、「おわりに」の部分を読んでしっくりくるかどうかで分かるかも。子どもの自殺リスクを高める最も大きな要因として「援助希求能力の乏しさ」が挙げられていて、この本らしいなと思った。ただ、援助希求能力の乏しさと、援助を求めにくい環境にいること、つらみの高まりはまるっとつながっているので難しいなとも思う。

 

この本の中で、自傷する子のサポートをする中で「距離をとれ」と言われた場合にスパッと拒絶することが距離を置くことじゃないという話がすごくよかった。一対一で関わるのをやめてチームで関わるということ。確かにそれなら距離というか、壁ができるし。援助者がつぶれたり独りよがりになることも避けられる。孤独な援助者に支えられることはいつ綱がちぎれてもおかしくない吊り橋を渡らされるようなもの、という言葉が印象的だった。自傷に限らず、対象と距離を置きたい場合に、関わりを維持しつつも他者を入れるのは効果的だなーと思った。接客でもそうだし、普通の人間関係でも。

 

余談だけどさらっとした動物表紙のシリーズなのでオライリーみたいだなと思いました。

https://www.godo-shuppan.co.jp/book/b474522.html

【感想】「若者の読書離れ」というウソ: 中高生はどのくらい、どんな本を読んでいるのか

www.heibonsha.co.jp


小中高生の読書や生活に関する様々な統計を展望的に検討し解釈している本。
「最近の若者は本を読まない」「中高生はラノベを読んでる」「今どきの若者は〇〇な作品ばかり読んでいる」等、若者の読書に関わる思い込みについて、統計をベースにその実態を教えてくれます。

 

若者の読書の現場に関わる知人は「ちょっとズレてるところもある…」とは言っていたけど、まず一般的な現状を把握しようと思ったら読んで損はないと思う。

 

ざっくり概要が知りたければP244の議論のまとめ部分はエッセンスが詰まってていいと思う。

 

若い読者が多く読んでいる本について、どのような要素がその心を捉えているのか推測しつつ、実際の作品について評しているパートが興味深かった。ライトノベル作品等含め、良い悪いの価値判断を入れずにどういう要素を拾ってウケているのかを推測しており、若者の読書談義でセットで語られがちな良書悪書みたいなニュアンスがなくて誠実だなと思った。

 

中でも『人間失格』に関するコメントがよかった。文豪ストレイドッグスから入る人がけっこういる、という導入はありつつ「他にも人気キャラはたくさんいる中で何故『人間失格』が人気作としてランク入りするのか」「若い方に受ける物語の型(本書の中の分析)のこういう要素にあてはまるからやね」みたいな展開のさせ方をしていた。確かに中原中也とか江戸川乱歩がそこまで目立ってお若い方に人気あるわけではないですものね。
https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/107031/

 

あと、お若い方は人間から何かを学ぼうとなった時に実用書とかビジネス書っぽいのよりもフィクションの人物から何かを学ぼうという傾向も分かる~~~てなった。これは私見だけど友崎くんをそういう目で読んでいる人はけっこういるのではないかな。

 

 

☆大学生が本を読まない理由
かつてより大学進学者が増えているが、その入学のルートとしてAO入試等も増えている。かつては大学進学しなかった低学力層も入学しているので読書量は低いのではないかという話(P40くらい)

 

☆ノベライズについて
jBooksの革新的なところ P122とか
・本編と入念にすり合わせたDグレノベライズ→初版5万部発売前重版、30万部の増刷
・雑誌コードで流通するジャンプコミックスと書籍コードで流通するノベライズを並べて売れるよう発売日や陳列場所を調整する

あと、漫画原作の映画のノベライズという形のパッケージングも買いやすさ、読みやすさの上では革新的だったとか。
ただノベライズだから読まれているという形ではなく、マーケティングをきちっとやった作品がきちっと刺さっているという地に足のついた話をしてて良かった。

小説版『星のカービィ』に言及してる。この他愛ない作品が選ばれる理由にスポットを当てて考察することを通して、若い方のニーズを探っているのが興味深かった。

 

この辺のノベライズよもやま話みたいなのもっと読みたいんだけどどっかにまとまってないかな。


ラノベ(p155とか)
このラノだと10代20代にラブコメが人気がある
⇔学校読書調査ではラブコメは一貫して少数派
学校読書調査は匿名調査だから周囲に恥ずかしいからラブコメ好きを隠してるというのは可能性として低いという推測と、性に対する意識調査で性への消極性や否定的感情を回答する割合の増加から、性的な要素が入ったラノベはそこまでウケないという論を展開している。あやトラは移籍しアオのハコは続いている話などからも。

 

 


☆いいねと思った資料
子どもの読書行動に家庭環境が及ぼす影響に関する行動遺伝学的検討
安藤 寿康

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdp/7/2/7_KJ00003367983/_article/-char/ja/
「図書館・本屋に連れて行ったり読み聞かせをするなど, 親が直接に子どもに与える環境を子が認知する仕方には, 遺伝的影響がみられた。また子どもの読書量についても遺伝的影響が示唆された。だが子どもの読書に対する好意度には, 遺伝的影響ではなく, 親の認知する蔵書量が影響を及ぼしていた。」

 

【感想】超動く家にて

http://www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784488747039

2023年秋の世にも奇妙な物語の原作としてちょっとバズっていたので。かなり良い。朝読書適性本でもあるのでは?

 

・2023年秋の世にも奇妙な物語の原作である「トランジスタ技術の圧縮」が1本目であるのがかなり良かった。この本のことが好きになれそうな気がする。コンセプトもなんとなく匂い立ってくるような感じがする。コレが1本目であることで塁に出られる感じがする。

作品としても読み切り漫画みたいな構成の良さがあった。TVでは大胆に構成を変え、娘を出すことで見通しを良くしてるけど、原作の良さは失われていなかったようには感じた。

 

・表題作はあとがきではミス研なら誰しも思いつく云々と表現されているものの、このネタ密度で読みやすく仕上げられていて、良いものに感じられた。小説でしかできない(他ではやりにくい)ことをやっていて、読めて良かったと思った。オチもほのぼのしていて好き。

 

・エターナル・レガシーはハルコンネンの精っぽい。かなり好きなので漫画でも読んでみたい。うっかりコミカライズされんかな。

 

・全体として、宮内先生の書く明るい話が好きだと思った。あとがきでも暗くするのは簡単で明るくするのは難しいと書いておられたが、それでも。

宮内先生が話を明るくしたときの、人間のからっとした感じや、救いのもたらされ方、前の向き方に好感が持てるんだと思う。