旅先で観て泣いた。
ストーリーと主題歌がめちゃくちゃ良くて思い出すたびしんみりする作品。
トロプリ単体の映画であるだけでなく、ハトプリとのコラボ映画。理由はよくわからないのだが、合わせてみると確かにシリアス度合いや絵柄のデフォルメ具合が揃ってるので違和感はない。ゆりさんおとなしめだったしね。
くるるんが皆のピンチを何とかする展開もあるので、くるるんすきの人はぜひ観て欲しい。
以下ネタバレ感想。
でもまず読む前にフラットな状態で主題歌を聞いてほしい。
まず主題歌が単体で聞いてもかなり良い。すぐ近くの大事な人と過ごす季節のひとつひとつが特別で素晴らしい、というメッセージをまっすぐに歌ってる。ラブソングにピンと来にくいであろうお若い方々向けというのもあるかもしれないが、それ以上に隣で聞いているお世話係の方の心を打つと思う。私も家族と過ごす日々を思って切なく感じておりました。
ただ、映画を観たあとには別の観点が得られた。
この歌を最初に聞くのは、シャンティアの王女がひとり口ずさんでいるのをローラが気づくシーン。聞けばこの歌はシャンティアに伝わる歌だという。ローラは王女と言葉を交わし、友達になる。共に素晴らしい国を作っていこうと微笑み合う。
しかし実はシャンティアは大昔に突如降り注いだ隕石により滅んでいた。王女は両親である王と女王の手で匿われ、たった一人生き残っていたのだった。滅亡から遠い未来に隕石の魔力で目を覚ました王女は、世界中から人間を集めて閉じ込め国を再興しようとする。
敵役なのでプリキュアの総力戦にて倒されはするのだけど、消えゆく王女とローラの会話がすごく良い。国が滅び、最後の生き残りである己も滅び、シャンティアの全てが亡くなってしまうことを嘆く王女。それに対し、歌を継いでいくと誓うローラ。そしてエンディングでさっきのやつ、という流れ。
この文脈でこの歌を皆で歌うんだな、というところにもじんわりとした感動はあるのだけど、それ以上に心を動かされたのは最初に王女が歌うシーン。
王女自身は、本当はもう国が滅んでいて、見えているシャンティアの全ては自分の魔力でできたまやかしだと知っている。愛した人も民も何もかも遠い昔に滅び、共に生きてくれるものは誰もいない。そこで誰にともなくあの歌を歌っている。
https://www.joysound.com/web/search/song/894077
ここはしあわせのくに、と歌う、たった一人生き残った王女。誰もいないのに巡る季節を思い、もういないみんなの笑顔を尊ぶ歌を歌う。エンディングまで観た後、逆流してその瞬間の王女の孤独に思いを馳せてしまう。
それを受け継いでいくと約束するローラの力強さよ。泣ける。犬の糞で〆たプリキュアだったけど終わったあとにこんなん見られるとは
(※これは私の主観。実際は上映時期は最終回前だったから普通に犬の糞で〆ているよ)
劇場版に出たゲストキャラはその中でキャラを全て使い切ってその後登場させないという作りをうまくなぞりつつエモエモに仕上げられた名作でございます。全人類見てほしい。くるるん!